2016年6月3日金曜日

Holotype (完模式標本)に会う-オーストラリア博物館・シドニー

 6月2日,西海岸のパースから東海岸のシドニーへの移動です。
    直線距離でおよそ4,800km,飛行機で約5時間。
Googleより。
主な訪問地:アデレード,パース,シドニー,メルボルン,カンガルー島。
国内の時差が2時間あるので昼の出発で到着は夜になりました。
最初の滞在場所,ワールドスクウェア付近のにぎわい。
翌3日朝,オーストラリア博物館を訪れました。
ハイド・パークに隣接する,クラシックとモダンが融合したような建物です。
古生物学の収蔵庫に案内されると,
史上最大の有袋類,ディプロトドンDiprotodon optatum の頭蓋化石が置いてありました。
今回お世話になったコレクションマネージャーのRoss Pogson 氏(専門は鉱物学)。 
さっそく,展示室のディプロトドン(背景の復元像)を案内してくださいました。
約200万年前から25,000年前まで生息していた,現在のウォンバットやコアラの仲間です。
オーストラリア博物館所蔵
ディプロトドンの臼歯は草食動物の特徴を持ち,歯冠はセメント質で覆われていました
拡大して他の動物との類似点や相違点を探します。
その日の終了近く,Pogson氏は鍵付きの収蔵庫に案内してくれました。
この区域には普段は目にすることができない特別の標本があります。
貴重な,ホロタイプ(holotype:完模式標本)が収蔵されています。
ホロタイプは動物の学名を登録するための基準になった標本(通常はタイプ標本と呼ぶ)で世界に一つしかありません。

そのひとつ,Diprotodon australisのタイプ標本,そしてその時の論文です。
<現在は Diprotodon optatum にまとめられています>
オーストラリア博物館には哺乳類を含む膨大な数のタイプ標本が収められていました。
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半月の滞在で有袋類が身近に思えるようになってきました。
パラレルワールドを見るような気持ちは残っていますが,有袋類がこのまま地球上に存在できる環境を具体的に考える必要を感じています。
ハイド・パークから眺めたオーストラリア博物館。



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