2016年9月25日日曜日

野外学習・千駄堀ーマムシに出会う

雨続きの9月,千駄堀も心配でした。
雲は多かったものの,雨はありませんでした。
万貫田の奥,湧水付近で。
谷津の地形(台地と低地)の成り立ちを確認し,クモの団居(まどい)を観察しました。
自然観察園の湿地を見学。今回は昆虫担当・佐々木さんに案内していただきました。
季節の虫を選んでは触らせてくれます。
クモや昆虫の説明を聞いています。
学生(左の2人)が「ヘビが動いている」と指さしました。
その先にいたのはまだら模様の「マムシ」です。
ゆっくりと体をくねらせて進みます。
夜行性ですが,木道に響く足音などで出てきたのかも知れません。
間近で見れるように,佐々木さんに網で捕らえてもらいました。
体長は60cm以上,細めに見えましたが成獣個体です。
独特の粗いまだら模様の鱗で被われています。
千駄堀では25年ほど前に目撃して以来です。
観察舎に戻り,水槽に入りました。
脊索動物門 爬虫綱 有鱗目 クサリヘビ科 
マムシ属  
ニホンマムシ (一般に「マムシ」)
Gloydius blomhoffii 

赤外線センサーの「ピット器官」で小動物の体温を感知し,暗闇でも捕食できます。0.1°Cの温度差も識別すると言われ,正確な赤外線画像を見ている可能性があります。(青矢印は鼻孔)
上下の牙が,毒腺からの液を注入します。組織を溶かす「出血毒」が主で,処置が遅れると死に至ることも。
ハ虫類では珍しく胎生で子供を産みます。
パークセンターで千駄堀の地形や季節の動植物の展示をみて,レポートの準備。
縄文時代の竪穴式住居(貝の花遺跡から復元)で当時の生活を体験。
マムシと出会うという幸運に恵まれた野外学習になりました。
リピーター3名を入れて23名の参加でした。
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千駄堀のあちこちで「マムシ注意!」の札を見かけますが,目撃情報は年に1件ほどと聞いていました。マムシは猛毒を持ちますが小型のあまり動きの速くないヘビです。夜行性で目立たないことを考えると,実際の生息数は多いのかも知れません。

2016年9月9日金曜日

自由発表:4題-2016年度・生物学1

 前期の試験期間最終日に,生物学1の自由発表を行いました。
今回は4題のプレゼンテーションがありました。 
  夏休みとはいえ前期試験を控えた中で準備をしてきました。
最初の発表は魚住渉くん。
2006年頃からアメリカ、ヨーロッパでミツバチがいなくなる現象が報告される。
日本でも2009年に北海道で確認されて以来、全国に広がる。2013年度の農業被害は18兆円にのぼる。
いったい何が起こったのか。
授粉におけるミツバチの利用が背景にあり、農薬のネオニコチノイドがミツバチのシナプスに作用し帰巣行動などを狂わせてしまう可能性を説明しました。
次は谷口玲華さん。
シンガポールで開催された「アジア太平洋歯科学生協議会(APDSA)」での体験を紹介しました。
アジアの学生の意識の高さに驚き、
ポスターセッションでは日本の学生が最優秀賞に選ばれるなど、大きな刺激を受けました。
一緒に参加した1年生3名も感想などを述べました。
一様に、英語力やコミュニケーション内容の向上の必要性を痛感したようでした。
3人目は小黒裕之くん。
「ダイエットで考える」
ダイエットの仕組みを生化学的に解明する狙いがありました。
話題の糖質制限ダイエットや脂肪肝の仕組みが説明されました。
今回は生物学以外に生化学の竹内先生、障害者歯科の遠藤先生も発表を聴かれ、
お二人からもコメントもいただきました。
最後は、一戸咲さんと佐々木莉乃さん。
「南太平洋医療隊」に参加しトンガで過ごした体験を紹介しました。
松戸歯学部「国際保健部」の一員として歯科医療や啓もう活動に加わりましたが、初心者として多くのことを学び、歯科医師の職業としての重要性を実感した貴重な2週間でした。
 授業後の感想文には、仲間がどのような興味・関心を持ち、どのように経験を積み上げていったのかがわかる発表で刺激を受けたと書かれていました。
次回は私も発表してみたい、との抱負が複数ありました。
期待します。