2014年3月15日土曜日

コンクリートの錆(さび)

オレンジや赤茶色の錆(さび)がついたようなコンクリートを見かけます。
建物や道路のかなりのコンクリートが同じようにさびています。
表面を薄く粉状の膜が覆って,少し大きい顆粒状のものが密集しています。
顆粒は丸いお椀(わん)状にみえます。スケールの間隔は0.2mm。
 これは菌類と藻類が共生した「地衣類」です。
ダイダイゴケの仲間でカロプラカ・フラボヴィレスケンス(Caloplaca flavovirescens: ダイダイゴケ属ダイダイキノリ科)。
お椀状のものは「子器」で,胞子をつくる子嚢が入っています。
 子器の断面を見ると,周囲の壁には緑色の藻類が入っているのがわかります。生存の基礎となる光合成をしています。
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コンクリートからは養分はとれません。地衣類は生き物のいないきびしい場所にパイオニアとして入り込み,植物遷移の最初の段階を形成する役割を今でも担っているのです。



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