2018年5月26日土曜日

縄文人を探るー夜間中学・博物館実習

 松戸自主夜間中学の今年の理科は「ヒトの進化」をテーマにしてきました。
今日(5/26土)は「松戸市立博物館」で”縄文人に会おう”という企画です。
博物館は1993年に「21世紀の森と広場」公園の一角につくられました。
千駄堀の台地に位置し,付近には縄文遺跡がありました。
入館する前に公園を横切る国道から地形を眺めました。
樹木の部分は台地の斜面です。かつては水田だった低地の部分ははるか前方の江戸川に続きます。
当日の配布資料から
松戸市内の縄文遺跡の分布です。標高20m以上の台地の縁に点在しています。
温暖な時期には台地の下まで海が入り込み,現在は「谷津」になっています。
松戸市内には2万5千年以上前の旧石器時代からヒトが住んでいました。
縄文時代以前の石器がそれを示しています。
遺物や遺跡から縄文時代の自然環境と生活を考えます。
貝の花貝塚(縄文中〜晩期)の復元模型。
精巧につくられていて,細部を双眼鏡で見ることができます。
遺跡からは様々な動物が発掘されています。
漁具と共に丸木舟も出土しており,活発な漁労の様子がうかがえます。
採集された貝からは温暖な海の環境が考えられます。
豊富な土器や石器が当時の生活をしのばせます。
入場券に印刷された幸田貝塚(縄文早期)の土器.
生活用品を芸術品のように造る人々でした.
戦国時代には谷津の地形を利用して城がつくられました(小金城(1537年築))。
遺跡の年代を測る方法なども展示されています。
館の外には3基の竪穴住居が復元されています。
参考にした遺構は貝の花貝塚(大),子和清水貝塚(中),上本郷貝塚(小)です。
住居内で説明を聞き質問し,囲炉裏を囲みながら当時の生活を思い浮かべます。
今日はスタッフの6名(荒木さん,伊藤さん,薄井さん,榎本さん,花澤さん,福田さん)の参加でした。
皆さんから色々とアイディアが出されました。
次回は生徒さんの参加を期待します。

2018年3月22日木曜日

最後の解剖実習ー愛歯技工

   愛歯技工専門学校で1994年(平成6年)から続けてきた解剖実習も,今年度の1年生7名が最後になりました。(まず東京医科歯科大学のお世話になり,後半は鶴見大学に実習の場を提供していただきました。両大学のご厚意に感謝いたします)
下田信治教授から実習の大事さ,留意点,そして技工士への期待が話されました。
口腔解剖の講義を受けたあと,黙祷(もくとう)をして実習を始めます。

まず頭蓋骨の勉強から。
前頭骨,側頭骨,蝶形骨などは分離骨を見て立体的に理解します。

ご遺体で,頭頸部の筋・神経・血管などを確認します。

そして粘土で咀嚼筋を作る実習です。



ご遺体を確認し,図を参考にしながら頭蓋骨(模型)に付けていきます。
愛歯の先生がたの助言もあります。


内側・外側翼突筋は苦労します。
全員完成させました。

後半は全身の臓器を見ていきます。
重要な部分はじかに触れて確認します。

脊髄や脳にも触れることができました。

限られた時間での実習でしたが,これからの勉強にも将来の仕事にも役立つことを願っています。
貴重な学びの場を提供していただいた鶴見大学歯学部と口腔解剖学教室,
ご講義と実習指導をいただいた下田信治教授に感謝いたします。

2017年9月6日水曜日

ポスター発表 - 愛歯技工専門学校

 解剖学の時間に,動物の歯についてのポスター発表をしました。
夏休みの課題です。一人約5分で,内容の説明をします。
横塚和洋くんは,家に猫がいるので「ネコの歯」ついて。
竹下諒くんは,無脊椎動物の「イカの歯」について。
鈴木梨穂さんは,実家に出没する「タヌキの歯」について。
鈴木晴天くんは,「オオカミの生態」について。歯のことは別の機会に。
小林秋月さんは,固いものを食べる「ラッコの歯」について。
どの発表も田中先生,遠藤先生に楽しんでいただけたようです。
秋田香帆さんは,化石への興味から「新生代のサメとクジラの歯」について。
青野公佑くんは,特殊化した「イルカの歯」について。
それぞれの発表に質問やコメントもいただきました。
全員のポスター。
右下は2年生,吉澤志歩さんの自主作品(本日は実習で参加できません)

2017年8月21日月曜日

リニューアルを待つー野尻湖ナウマンゾウ博物館

 今年も宿題を抱えて野尻湖発掘調査団・哺乳類グループの合宿調査にやってきました。
お盆を過ぎても「野尻湖ナウマンゾウ博物館」
は盛況でした。
発掘遺物は収蔵庫に整理・保管されています。
博物館の外の作業場では「昆虫化石を探す」イベント。大人も子供も真剣でした。
翌日は「ゾウに触る」イベントも。大きさに驚きます。
学芸員は調査のかたわら,大忙しです。
野尻湖発掘調査団所蔵
私の仕事はオオツノジカ上腕骨の記載です。
長い間隔を置いて発見された遺物が,年を超えてつなぎ合わされました。
論文の完成に向けた,
合宿調査のメンバー(8/21当日)
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博物館入口の向かいにそびえる2本の「ドイツトウヒ(ヨーロッパトウヒ)」
Picea abies マツ科 トウヒ属
柱時計の振り子風の球果(松ぼっくり)(左のスケールは1cm目盛)
「オニグルミ」
Juglans mandshurica var. sachalinensis クルミ科クルミ属
「キボシカミキリ」
Psacothea hilaris カミキリムシ科
「黒姫山」にもようやく夏の雲が戻りました。
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博物館は合宿調査の後,改修工事に入りました。
来年3月20日のリニューラルオープンを楽しみにしましょう。