2019年12月8日日曜日

箱根に遊ぶ

 師走らしいどんより寒い空でしたが,男旅のメンバー3人と身近な観光地で温泉もある「箱根」を目指しました.
小田原,箱根,富士山
箱根の入口は小田原.小田原城に登ります.
 現在の千葉県,茨城県,栃木県まで勢力範囲においた戦国大名北条氏の居城.
途中の銅門(あかがねもん)では期間限定で「小田原評定」に参加できるイベントも.
(白・平山勝憲先生・平山歯科医院院長,黒・山本仁先生・東歯大教授・組織学)
  天守閣の西には箱根の山々が望めます.
神山,冠ヶ岳の下が温泉たまごの大涌谷(おおわくだに)です.
 南には真鶴(まなずる)半島が相模湾に伸び出します.22-15万年前に箱根火山から流れ出した溶岩が作りました.
 市内からバスで箱根湯本へ.10月12日の台風19号で早川も氾濫し旅館や飲食店も浸水しました.交通網も甚大な被害を受け箱根登山鉄道は復旧半ばの状態です.

 バスを降りた強羅(ごうら)駅には運転再開を待つ登山鉄道の列車が.さらにバスを乗り継いで仙石原の宿に向かいます.
 箱根ラリック美術館に寄りました.近くに箱根湿生花園があります.仙石原は5,000年ほど前に火山活動によって湖から湿原に変わった地域です.

 翌日(12/08)は快晴.ヤドリギが目立ちます.クリスマスに縁のある植物です.鳥の糞に入った種子が木の枝に粘りついて寄生します.
 ロープーウェイからの大涌谷(おおわくだに)の景色.青灰色に染まった岩と土,白煙.硫黄の匂いが入ってきます.
 2015年5月以降の小規模な噴火よって火口付近の立ち入りが制限されていましたが,
2019年10月に 警戒レベルが1に下がり11月15日に大涌谷園地も再開されました.
 蒸気井(じょうきせい)温泉を作る造成塔.仙石原の水はここに運ばれ,火山性蒸気と混ざり様々な成分を含んだ温泉となって戻ります.
 大涌谷は3,000年前に神山が水蒸気爆発で山体崩壊を起こし北側斜面が削り出されて作られました.その後の活動でできた溶岩ドーム(火山岩尖)がこの冠ヶ岳(かんむりがたけ)です.
  活発に火山性ガスを吐き出す噴気孔.現在は歩道が閉鎖されています.しかし,植物の姿がすぐそばに見えました.
 北西の方向に雄大な富士山を望みます.大型の成層火山で箱根火山とは性質が異なります.左のすそに遠く南アルプスの山並みが頭を出していました.
 大涌谷のくろたまご館に併設されている「箱根ジオミュージアム」に入りました.
(火山噴出物を検鏡している”お砂糖博士”新美寿英先生)
 箱根は東西8km,南北12km大きなカルデラを囲む外輪山と大涌谷を含む中央火口丘,そして芦ノ湖で構成される複合的な地形であることがわかります.早川は仙石原湿原の水を集め小田原に流れます.
 火山噴出物を年代別に色分けした展示.茶色は1600万年前から数百年前の海底火山の噴出物で箱根火山の基盤になる地層.紫色は外輪山を形成した40−24万年前のもの.赤色は外輪山からの噴出物です.緑色は13-6万年前の中央火口丘の溶岩.黄色は6万年前の火砕流の堆積物.このとき噴出した「東京軽石」は千葉県でも地層に含まれています.ピンク色は4万年以降の溶岩や火山灰で,大涌谷を含む中央火口丘のほとんどを占めていることがわかります.
 今の芦ノ湖は3,000年前にカルデラの中央火口丘にある神山の山体崩壊で早川がせき止められた結果作られました.大涌谷と同時期です.カルデラ自体は23万年前と6万5千年前に形成され,その陥没にはプレートの活動やそれに伴う断層の作用も考えられて複雑です.
 湖面に立つ箱根神社の鳥居.1952年に建立されたものですが,若い人の名所となっています.傾いてきた太陽を眺めながら下山のバスに乗り込みました.

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