2016年12月18日日曜日

初めての野外学習・千駄堀ー松戸夜間中学

 松戸夜間中学の12月の理科(55回目)は野外学習としました。
公園中央口に9時10分集合,12時解散の日程です。
快晴の朝にひと安心です。
夜間中学から6名、日大松戸歯学部の1年生が1名参加しました。
博物館入口の「ネズミモチLigustrum japonicum(モクセイ科)」の黒い実が朝日に映えます。
今日の順路です。
集合(公園中央口)→湧水→パークセンター→野鳥・生態園(自然観察舎と自然生態園)→みどりの里→(斜面を登り)→竪穴住居(縄文の森)
公園に入ると樹木の幹に注意書きがありました。
竹筒がぶら下がっているものもあります(上)。
自然観察舎に展示されていた「ドロバチの仲間(オオフタオビドロバチなど)」(下)。この仲間の調査でしょうか。
 千駄堀は台地(下総(しもうさ)台地)の縁が侵食されて低地が入り込んだ「谷津(やつ)」地形です。公園の奥は崖で行き止まりになり、湧水の場所があります。
湧水は千駄堀の命の源であり、かつては一帯の水田を潤していました。
現在は水が湧き出す様子を見ることはできません。
用水(岩は人工的に配置したものです)のきわには「クレソン」が目につきます。
*「オランダガラシNasturtium officinale(アブラナ科)」ですが、明治時代に料理用に入ってきた外来種で、繁殖力が強く日本の在来種がなくなってしまうので「要注意外来生物」に指定されています。
パークセンターで千駄堀の情報を収集します。
千駄堀の成り立ちや四季の動植物が展示されています。
公園では絶滅してしまった「メダカOryzias sakaizumiiとOryzias latipes」とそれに取って代わった「カダヤシGambusia affinis」の比較です。よく似ていますが、系統は離れています。
*カダヤシは1915年頃日本に持ち込まれましたが、繁殖力が強く在来の淡水小型魚には絶滅が心配される例が出てきました。現在は「特定外来種」として飼育が制限され放流は禁止されています。
池沿いの木道の下には「ヤブソテツCrytomium fortunei(オシダ科)」(シダ植物)が茂っていました。
 裏側に白い斑点状の「胞子嚢」を持つ葉もありました。
そして「ジュズダマ(数珠玉)」(Coix lacryma-jobi:イネ科)も発見。
品種改良したものが食用の「ハトムギ」です。
自然観察舎で野鳥を探します。
タカの仲間の「ノスリButeo japonicus」が観察されました。
「オオバンFulica atra(ツル目オオバン科)」が群れをなして近くまで来ます。
「カワセミ Alcedo atthis bengalensis(カワセミ科)」の姿に歓声が上がりました。
日本各地の水質の悪化と河岸がコンクリートで固められたことによって、生息数が減っていました。今日の収穫の一つです。
11時から自然生態園の観察ツアー(30分)に参加。
解説員のかたに植物を中心に案内していただきました。
昔は深い田んぼがあった場所をのぞみます。
斜面を登って縄文の森へ。台地(標高約20m)の標高差を感じます。
台地の上から、縄文時代には海につながっていた千駄堀の低地を眺めたことでしょう。
貝の花貝塚(縄文中〜後期)の遺構を復元した竪穴式住居に入りました。
遺跡に詳しい参加者を中心に楽しい話し合いになりました。
焚き火の煙にも慣れ,縄文時代の生活を思い浮かべます。
竪穴住居の入り口で集合写真に収まり、解散しました。
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この付近には縄文草創期(12,000~9,000年前頃)の「出来山遺跡」があり、発掘の様子を見学した記憶があります。
千駄堀では地形,動植物,歴史などのさまざまな面が学べます。

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