2015年12月7日月曜日

多幸の島ー日間賀島・三河湾

離島を旅してきました。
愛知県南知多町にある日間賀島(ひまかじま)。
名古屋から名鉄で約1時間の河和(こうわ)からフェリーに乗り,約20分です。
島の近くの縞々模様の岩礁。砂岩・泥岩・凝灰岩が互層になった師崎(もろさき)層です。
 到着の東港に近づきました。師崎層の露頭が見えます。
港では蛸壺が出迎えます。
日間賀島はタコ漁で有名です。タコにまつわる言伝えもいっぱいあり,正月3ヶ日はタコ祭りで祝うそうです。
島の資料館にはタコ漁の様々な漁具が展示されています。タコ漁が盛んな1950年代までは「釣り」が主流でした。
もちろんタコ料理。手際よくさばいていきます。脚は8本,Octopusの'oct'は8の意味です。
頭のように見えるのが胴です。中には鰓(エラ)があり,内臓が詰まっています。発達した目(単眼)を持つ頭は胴と脚の境にあります。口は足の付け根にあります。
脚が頭から出ているので,タコやイカの仲間を「頭足類(綱)」(Cephalopoda: cephalo=頭,poda=脚)と呼びます。
安楽寺の章魚(タコ)阿弥陀如来。
大昔,大地震によって近くの島が陥没しお寺の仏像も沈んでしまった。しかし,その後網にかかって仏像が引き上げられた時,一匹のオオダコが守るように絡み付いていた,と伝えられています。
島の中を歩くと石垣が目につきます。多くは島の崖に見られるような柔らかめの石ですが,所どころに固い花コウ岩(みかげ石)が挟まっています。花コウ岩は日間賀島にはなく隣の篠島(しのじま)から産出します。
上は知多半島。右が日間賀島,下が篠島。島間の距離は2km。南知多町ホームページから。
日間賀島には1,800万年程前の砂岩・泥岩・凝灰岩が互層になった地層が現れていて,篠島には非常に古い8,000万年前の花崗岩が露出しています。この硬い岩石は名古屋城の石垣にも使われました。日間賀島と篠島は2kmほどしか離れていませんが,静かな海の下には大きく異なった岩石をのぞかせるような激しい地殻変動が隠されているのでしょう。
 「タコ阿弥陀如来の伝説」の島が沈むような大地震は巨大な地殻変動を意味しているのかも知れません。
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中央構造線博物館ホームページから
渥美半島付近は関東から九州に延びる巨大な断層帯である「中央構造線」が通っています。日間賀島と篠島は共に内帯の領家(りょうけ)変成帯になりますが,断層をつくる大きなエネルギーが三河湾の海底にもかかっていたのでしょう。

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