2015年7月25日土曜日

ひらめき☆ときめき サイエンス

 科研費による研究成果を社会に還元する事業のうち,中学生・高校生の皆さんに直に見て触れることで科学のおもしろさを感じてもらうプログラムを実施しました。
テーマは『知ってますか?歯の構造と機能』。
『現生と化石哺乳類をつなぐ,エナメル質組織発生における比較解剖学的研究』(鈴木久仁博:課題番号No.20592154)をベースに様々な動物の歯にふれ,光学顕微鏡と電子顕微鏡で歯の断面を観察し,ヒトの歯型を作製して計測し,実際に歯(ウシ)を削って歯の硬さや質感を体験します。
歯科での実施は少ないので,松戸歯学部らしい特徴あるプログラムを考えました。
午前中は講義の時間です。
「歯の分化過程とヒトの歯の特徴を考える―歯の多様性と組織構造から―」と「歯の大きさと形はどのように決まるのか?」。
講義に合わせて,様々な動物の頭蓋骨や歯を当てるクイズも入れました。
学生食堂での会食では若いドクターを含めた教員との交流。

食後に病院を見学し説明を受けました。
診療室では正しいブラッシング指導を受けます。
午後の実習のために印象を採りました。
午後はまず光学顕微鏡を使ったエナメル質の観察実習。
成長線から歯のでき方(咬頭の形成)を考えます。
その後,走査型電子顕微鏡でエナメル質の微細構造を観察します。
サンプルを動かしピントを合わせ撮影をしました。
待ち時間に透過型電子顕微鏡で細胞の内部を観察。
臨床系の実習室に移動し,まず自分の歯型を計測します。
ノギスの使い方をインストラクターに教えてもらいます。
いよいよウシの歯を切削します。もちろんタービンは初めて。
インストラクターの先生方も緊張します。
付き添いのお母さんからも様々な質問がされました。
参加者は中学生と高校生を合わせて12名。
最後まで興味を持って集中していた姿が印象的です。
(講師の紹介:前列左から,西山典宏(歯科生体材料学),鈴木久仁博(生物学)。後列左から,若見昌信(クラウンブリッジ補綴学),楠瀬隆生(生物学),會田雅啓(クラウンブリッジ補綴学),近藤信太郎(解剖学I))
終わりに「未来博士号」の賞状を授与し,プログラムの幕を閉じました。
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今回の企画は,研究成果の社会還元にあたって,基礎と臨床の横断的な取組みがなされたことにも意味がある思います。参加者に歯科の領域を知っていただき,一方,若く新鮮な「熱」に触れたことは私達にとっても大きな収穫でした。
実習でお世話になりました先生方,ブラッシング指導に当たられた衛生士さん,連絡・調整・印刷等,様々な準備で支えていただいた研究事務課の皆さんに感謝いたします。

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