2016年5月24日火曜日

謎が深まるー単孔類の歯

 単孔類は不思議な動物です。その化石にはさらに謎があります。
南オーストラリア博物館・プレパレイションルーム

現生のカモノハシ(Ornithorhynchus anatinus)は顎の角質化した部分が硬い歯のようですが、本当の歯(真歯)は持ちません。

南オーストラリア博物館・哺乳類研究室#M9678
矢印は角質化した”歯”です。
南オーストラリア博物館・古生物学研究室
ところが、化石のカモノハシには歯があったのです。
オブデュロドン(Obdulodon dicksoni)です。2000万年ほど前(前期~中期中新世)の仲間です。
1992年の論文で紹介されています。
南オーストラリア博物館・古生物学研究室
歯はこのように植立していました。
南オーストラリア博物館l・古生物学研究室
これはキャスト(型取りした複製)ですが、立派な歯です。左のスケールは1目盛り1㎜です。
しかし、「トリボスフェニック型」臼歯の前の段階とされています。
Prehistiric Mammals of Ausutralia and New Guinia (2002) から
復元されたオブデュロドン。形は現生のカモノハシとそっくりです。
南オーストラリア博物館・古生物学研究室でお世話になっている ビンニ―先生(Dr. Mary-Anne Binnie)(中央)と、現役時代に沢山の論文を書かれたプレッジ先生( Dr. Neville Pledge)。
今日は、有袋類の標本を前にプレッジ先生のレクチャーを受けました。


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