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2014年3月31日月曜日

ラッパ型のコケー地衣類

春到来。新入生を待ちます。
 中庭の針葉樹(カラマツ)植え込みの根元にも様々な植物が生活しています。
 ラッパのような形をしたコケが目にとまります。
 ハナゴケ科のヒメジョウゴケCladona humilis です。
しかしコケの仲間ではなく地衣類です。
地衣類は菌類と藻類が密接に関係して(共生)つくられた生物体です。
ラッパのようなものは皿状の「子器」で,菌類の「胞子」をつくる生殖器官です。
まわりの小さな葉状のものは地衣体です。
子器の縁には細かい球状の胞子がついています。 
 ピンセットではがして,ルーペで観てみます。
中に緑色の粒子が見えます。 
葉緑体のように見えます。
これが藻類が持つ葉緑体だとすると,粒子は胞子ではなくそれ自体がすでに地衣類になっている「粉芽」ではないでしょうか。粉芽は地衣体につくられる無性生殖器官です。
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胞子と粉芽のことは更に検討してみましょう。

2014年3月15日土曜日

コンクリートの錆(さび)

オレンジや赤茶色の錆(さび)がついたようなコンクリートを見かけます。
建物や道路のかなりのコンクリートが同じようにさびています。
表面を薄く粉状の膜が覆って,少し大きい顆粒状のものが密集しています。
顆粒は丸いお椀(わん)状にみえます。スケールの間隔は0.2mm。
 これは菌類と藻類が共生した「地衣類」です。
ダイダイゴケの仲間でカロプラカ・フラボヴィレスケンス(Caloplaca flavovirescens: ダイダイゴケ属ダイダイキノリ科)。
お椀状のものは「子器」で,胞子をつくる子嚢が入っています。
 子器の断面を見ると,周囲の壁には緑色の藻類が入っているのがわかります。生存の基礎となる光合成をしています。
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コンクリートからは養分はとれません。地衣類は生き物のいないきびしい場所にパイオニアとして入り込み,植物遷移の最初の段階を形成する役割を今でも担っているのです。



2013年10月20日日曜日

胞子をつくる

 松戸祭の2日目は雨。
  サルノコシカケの内部を見てみましょう。
サクラの幹についたサルノコシカケ(カワラタケ?)
裏をのぞくと小さな穴がいっぱいです。
全体が細い菌糸でつくられています。
穴の壁にはびっしりと丸いものや楕円のもの,つぶれた形のものがついています。
拡大すると,細い柄の先に更に小さな球形のものが見えます。
これが胞子(担子胞子)でしょう。直径は3/100mmほどです。
つぶれた丸いものは減数分裂で胞子をつくる担子器でした。
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 一般公開の電子顕微鏡室には2日間で30人程の来室者がありました。

2013年10月11日金曜日

猿の腰掛

 構内の樹木の手入れが終わったようです。
  サクラの幹に「サルノコシカケ」を見つけました。
サルノコシカケは大きなグループの総称です。
担子菌類のサルノコシカケ科
のサクラサルノコシカケPhellinus pomaceus
 です。
木の幹から半円形のキノコを直接出しています。
幹の表面には透明の液がしみ出した痕があります。
木が出したのかキノコが分泌したのか。
太い枝にもビッシリと。
キノコは子実体と呼ばれます。
子実体は硬く裏側は網目模様。この中に胞子をつくる担子器があります。
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サルノコシカケはこの木にとっては迷惑なはず。
この仲間の多くは木材腐朽菌です。
木の成分であるリグニン,セルロース,ヘミセルロースを分解して養分とします。

2013年10月4日金曜日

樹皮の華

 台風の影響もあってか,雨模様の日が続いています。
サクラの幹に,薄緑から白銀の花柄のような付着物が。
ウメノキゴケ です。
地衣類 Parmotrema tinctorum
ゼニゴケの葉状体に似ていますがコケ類ではありません。
小さいしわは裂芽(芽子)という無性生殖のための組織。
断面は緑の層,白い層,褐色の底面が区分できます。
底面の所どころに偽根があって樹皮に取り付いています。
断面の切片を顕微鏡でのぞくと・・・・
上の層は藻類,下の層は菌類。
菌類の菌糸に光合成をする藻類が取込まれたようなかっこうになっています。
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地衣類は過酷な環境でも生活し,植物遷移の最初にも登場しますが,
ウメノキゴケは大気汚染や排気ガスに弱いといわれています。

2013年9月22日日曜日

不思議なキノコ

 暑さの残る千駄堀。9月の自然観察実習の参加者は35名。リピーターが2名。季節ごとに生き物は変わります。
今回も「千駄堀を守る会」の皆さんに観察スタッフとして案内をお願いしました。植物、昆虫、クモ、野鳥と多岐にわたって入門から専門的な質問まで受けていただけます。
さっそく遊歩路の落葉の陰に白い小さな目立たないキノコを発見。学生も慎重に地面を掘っていきます。
全体が見えてきました。「冬虫夏草」と呼ばれるキノコの仲間です。
これは「ツクツクボウシタケ Isaria sinclairii」
子嚢菌類,バッカクキン目,スチルベラ科に所属。
 ツクツクボウシMeimuna opalifera(セミの1種)幼虫に取り付いて,それを栄養に生活している菌類。キノコといっても地上部は綿棒の先に白い粉がこびりついた様な形をしています。
地中の部分は菌糸がしっかりと巻き付いて幼虫は見えません。
どこにどのように入っているのでしょう。
 白い粉は分生子という無性胞子で体の一部が体細胞分裂で増えたものです。 
この先、ツクツクボウシタケはどうなるのでしょう。
  来月また見てみませんか。

2013年8月6日火曜日

原始の地球から

   原核生物は身近にいます。
もちろん,構内にも。たとえば...........


 銅像の台の黒っぽい汚れ
カリカリの海藻のようなもの
水で戻すと柔らかくなる。
食用にするところもある。
別名:イシクラゲ
Nostoc commune
(2013,08.06 対物40倍  Kunihiro Suzuki)
顕微鏡でのぞくと。数珠(じゅず)状の細胞の集合体
イシクラゲは原核生物。真正細菌(バクテリア)でネンジュモ科。
藍藻類,シアノバクテリアの仲間。
原始地球で光合成を始めた生物の末裔である。