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2014年4月5日土曜日

ツクシ誰の子

春も本番になりました。ツクシも伸び上がって新入生を待っているようです。

ツクシはシダ植物トクサ科の「スギナ」の胞子をつくる生殖器官(胞子体)です。
Equisetum arvense L.
「はかま」と呼ばれる筒状のものは「葉」です。
ツクシは光合成をする本体(栄養体)のスギナより目立ちますが,胞子を飛ばすと枯れていきます。
スギナとツクシは地下茎(根ではない)でつながっています。
地下茎から新しい個体をつくる(栄養体生殖)能力が高いので雑草として嫌われることもあります。
 
ツクシの六角形のタイルの下には胞子嚢があって,緑色をした胞子を大量に抱えています。
 4本の「弾糸」というバネのような線維がはじけ,胞子が飛び出します。
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 シダ植物では胞子が発芽すると「前葉体」と呼ぶ「配偶子」をつくる体をつくりますが,スギナの前葉体はどんな形でしょう。次のシーズンに探してみましょう。
胞子を放出し終わったツクシ。




2013年12月27日金曜日

紅(べに)を引く

中庭のケヤキの幹には寒いこの時期でも緑の苔(こけ)が着いています。
近づいてみると,小さな花のような胞子のうを付けていました。
ヒナノハイゴケ(Venturiella sinensisヒナノハイゴケ科,別名クチベニゴケ。
胞子をつくる朔(さく)には,帽(ぼう)と呼ばれる傘のようなものが付いていました。これがとれると赤い蓋(ふた)があらわれます。
蓋の周りの口環(こうかん)の部分は紅色の朔歯(さくし)と呼ばれるギザギザになっています。
クチベニゴケの名前の由来でもあります。
朔の中で減数分裂が起こり胞子が形成されます。
蓋と朔歯の間からできたての胞子がのぞいていました。

2013年9月21日土曜日

樹皮に咲く

 前庭のハナミズキには別の植物が付いていました。
樹皮に数種のコケや白っぽい地衣類が取り付いています。
コケの中に小さい筒状の花のようなものが見えます。
コケの胞子嚢である朔(さく)です。花ではありません。
サヤゴケ
ヒナノハイゴケ科
Glyphomitrium humillimum
胞子が見えます。朔の中で減数分裂が起こり胞子がつくられます。
顕微鏡でのぞくと,とがった朔歯(さくし)と中までつまった胞子がわかります。
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胞子が細胞分裂(発芽)をして植物の本体(配偶体)になります。そこで造卵器と造精器を形成し,精子と卵をつくります。染色体数は半数(n)のままです。
サヤゴケは大気汚染にも強いコケといわれ,多種類の樹皮に生育しています。

2013年8月24日土曜日

ゲリラ豪雨の下で

 8月下旬になっても暑さは続き,時折ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な大夕立に見舞われます。昨日の雨のあと,中庭に出てみました。
 ちょっとした緑の地面には地味な雑草(もちろん名前はあります)やコケ類が雨を楽しんでいるようでした。
目につくのは「セニゴケ」(Marchantia polymorpha)。人にはあまり好かれていないようです。
破れた傘のような,卵をつくる器官(雌器托)を持つ雌株(手前3本)と,縁が波打つ皿のような,精子をつくる器官(雄器托)を持つ雄株(奥の丈の低い1本)とがあります。水をなかだちに有性生殖をします。

また,ゼニゴケの本体(葉状体)にはお椀のようなもの(杯状体)がついています。中には多数の「無性芽」(体細胞からつくられた繁殖用の粒)が見えます。無性生殖もするので増えるはずです。
2013.08.24 Kunihiro Suzuki
雌器托の造卵器で受精すると受精卵は多細胞の胞子体になり,その中で減数分裂がおこり胞子がつくられます。写真の黄色い粉状のものが胞子のかたまりです。この胞子が発芽して植物体(葉状体)になります。
(2013.08.24 対物40倍 Kunihiro Suzuki)
 顕微鏡でのぞいてみると,コイル状の「弾糸」にからまった多数の胞子が観察されました。乾燥すると弾糸がバネのように胞子を飛ばします。
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 ゼニゴケは陸上植物でもっとも古い歴史を持つ仲間で,近年ゲノム解析が進み高等植物との遺伝学的な比較も可能となり,進化生物学の実験材料としての有用性も期待されています。