生え替わり続ける臼歯を持つ小さなワラビー(小型のカンガルー)です。
ミュージアム・ショップに売っている小さな図鑑(ガイドブック)にも載っています。
どんな歯なのか,気になっていました。
西オーストラリア博物館所蔵・現生標本 |
これがヒメイワワラビー Nabarlek
Petrogale concinna
(カンガルー科 イワワラビー属)
上下の顎には小臼歯が1本と5本の大臼歯が見えます。
有袋類の基本歯式は大臼歯4本です。
古生物学部門の化石標本にも当たってみました。
西オーストラリア博物館所蔵・古生物学部門 |
歯冠先端が顔を出した第四大臼歯の遠心(左)に,5番目が歯胚の状態で埋まっています。
この標本は P. concinna に分類されると思います。
Petrogale 属の他の種は第四大臼歯の遠心(右)は顎骨がしっかり閉ざされています。
ヒメイワワラビー(上記ガイドブックの写真から) |
ハ虫類の多生歯性から哺乳類の2生歯性への移行は謎の多い問題です。
この不思議な歯を持った小さなカンガルー(ワラビー)が鍵を握っているかも知れません。しかし残念なことに,絶滅の危機にあるとのことです。
お世話になった,古生物部門のMikael Siversson 博士とCassia Piper 技官(女性)。
コーヒータイムがなかなか楽しい。
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