2015年7月26日日曜日

シロギス釣りー東京湾

 水族館は好きですが,これまで釣りの経験はありません。
解剖学第2講座の平山勝憲先生(非常勤講師)から海釣りに誘っていただきました。
日曜の早朝は,すでに真夏の日差し。
7時半,船橋市高瀬から東京湾に乗り出します。
船長から竿の扱いや「仕掛け」の取り付け,餌の付け方の講習を受けます。
穏やかな東京湾を南下する途中,大型のタンカーに何回も出会いました。
出港して約40分,釣り場は東京湾アクアラインのすぐそば,
「盤洲(ばんず)沖」と呼ばれる場所です。
(地理院地図を改変)
千葉県・木更津付近で海に注ぐ
小櫃(おびつ)川は広大な「盤洲干潟(ひがた)」をつくります(赤→)。
盤洲沖の水深は20〜30mですが,干潟からの砂質の浅瀬が釣り場です。
海面の細いひもは枯れたアマモのように見えます。
水深数mの砂泥質に繁茂するアマモはワカメやコンブとは違って種子植物です。
単子葉植物 イバラモ目 アマモ科 Zostera marina
餌は環形動物(ミミズの仲間)のゴカイ。
多毛綱 ゴカイ科  Hediste sp .
3cm位の長さにして針につけます。
「天秤(てんびん)」と呼ぶ仕掛けで海底に錘(おもり)を落とし,それをリールでゆっくり引揚げると,動くゴカイに魚が食いつくしくみ。それをくり返します。
ググッと引っぱられるような手応え・「当たり」が伝わりました(「魚信(ぎょしん)」とも)。あわててリールを巻くと,跳ね上がってきたのはスマートな姿の体長15cmほどの「シロギス」です。 海釣り第1号。
細かい鱗(うろこ)が背側のやや黄色に見える褐色から腹側に向かって銀色に変わります。
スズキ目 キス科 キス属 Sillago japonica (学名に日本がついている)
大きなシロギスは25cmほどありました。
時々釣れる「ヒイラギ」。名前の通り葉のように扁平でヒレが鋭く尖り,手を切りそうです。
褐色の鎖のような模様があり,鱗がなくヌルヌルしています。口が二重になっていて内側からも口唇のように突き出します。
スズキ目 ヒイラギ科 ヒイラギ属 Nuchequula nuchalis
胴(頭のように見えるが内臓が入っている)が5cmくらいの「イイダコ」の表と裏。
雌雄を見分ける交接腕の区別はつきませんでした。
軟体動物 頭足綱 マダコ科 ダコ目 マダコ属 Octopus ocellatus
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今日の漁はシロギス25匹,ヒイラギ5匹,イイダコ1匹でした。
東京湾の6時間,釣りも海も満喫しました。
折々に表情を変える水面と複雑に歴史が刻まれた海底との間ある生きもの達の多様な世界。
一本の竿と糸を通じてその入口に触れたような気がしました。
(今度は料理にもチャレンジして美味しくいただきます。)
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写真の餌は「アオイソメ」とのご指摘がありました。(7/29)

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