2013年10月31日木曜日

哺乳類の歯を比較する

この時期には,生物学実験(1年後期)で動物の歯を観察します。標本は日本大学生物資源科学部の獣医解剖学研究室から毎年お借りしています。ウシ,ウマの大きな頭蓋骨に圧倒されます。ブタ,イヌの歯もスケッチはむずかしい。
ウシの上顎は切歯がないのか?
ウマの頭はとにかく大きい。四角い臼歯が並ぶ。
食べているブタとは頭蓋骨のイメージが違う。
イヌの歯も臼歯は複雑。
ネコの歯も見てみたい。
ヒトの歯を哺乳類の多様性からとらえる視野を持つことが期待されます。

2013年10月27日日曜日

野外実習「新」コース

 千駄堀野外観察の最終回(10/27)は秋晴れになりました。
参加者9名のうちリピーターが5名。少しコースを変えてみました。
パークセンターによって展示をのぞいてみました。
いろいろな植物の匂い(香り)を嗅ぐコーナー。
千駄堀の成り立ちの展示も。
千駄堀池(人工)の反対側からいつもの観察エリアが対岸にのぞめる。
人工の島(木立が見える)や浮き島がヒトとの距離を保ちます。
島の倒木には甲羅干しをする多数のカメがきらきら光って。
(おそらくほとんどが)ミシシッピアカミミガメ。
自然観察舎に展示されたオオタカの剥製。
生態系の頂点に陣取り,他の野鳥が姿を隠してしまうことも多くなりました。
千駄堀を守る会の皆さんと「まとめの会」をし,無事解散。
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本日の鳥類リスト:カイツブリ,カルガモ,キンクロハジロ,オオバン,ハクセキレイ,セグロセキレイ,ヒヨドリ,モズ,シジュウカラ,エナガ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス

2013年10月21日月曜日

「子殺し」で知られていますが

松戸歯学部の東側を流れる坂川にも水鳥の姿を見ることができます。
朝の静かな水面に浮かぶように
カルガモです。
時々もぐったり羽ばたいたり
そしてまたゆっくりと。
おだやかな秋の朝をくつろいでいました。
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カモ科 マガモ属  カルガモ  Anas poecilorhyncha

 カルガモは子供の密度が高くなると,他個体の子供を殺すことが知られていますが,自分の子までも殺してしまうことが記録されています。
 「子殺し」はサルの仲間やライオンにも見られる行動で,新しいボスとの交尾の機会を増やしボスとの間の子供をつくるため,種の維持には有利であると説明されています。

2013年10月20日日曜日

胞子をつくる

 松戸祭の2日目は雨。
  サルノコシカケの内部を見てみましょう。
サクラの幹についたサルノコシカケ(カワラタケ?)
裏をのぞくと小さな穴がいっぱいです。
全体が細い菌糸でつくられています。
穴の壁にはびっしりと丸いものや楕円のもの,つぶれた形のものがついています。
拡大すると,細い柄の先に更に小さな球形のものが見えます。
これが胞子(担子胞子)でしょう。直径は3/100mmほどです。
つぶれた丸いものは減数分裂で胞子をつくる担子器でした。
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 一般公開の電子顕微鏡室には2日間で30人程の来室者がありました。

2013年10月18日金曜日

野外会場

今年も季節になりました。
 野外会場も準備が進んで,明日から「松戸祭」本番です。
窓越しに,わくわくが伝わります。
メインステージの周辺は,きれいに草が刈られる前には「ヨシ」がいっぱい生えていました。
植え込みに刈り残しがあります。
千駄堀のヨシ群落
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 ヨシ Phragmites australis  イネ科
ヨシ(アシとも呼ぶ)は水分の多い湿地に好んで生息します。
湖沼が長い年月をかけて土壌を堆積させて陸化していく過程で,植物の種類も変化します(湿性遷移)。
ヨシはその移り変わりに現れるメンバーのひとつです。
この場所が地下に湿地の性格を残しているのかも知れません。

2013年10月11日金曜日

猿の腰掛

 構内の樹木の手入れが終わったようです。
  サクラの幹に「サルノコシカケ」を見つけました。
サルノコシカケは大きなグループの総称です。
担子菌類のサルノコシカケ科
のサクラサルノコシカケPhellinus pomaceus
 です。
木の幹から半円形のキノコを直接出しています。
幹の表面には透明の液がしみ出した痕があります。
木が出したのかキノコが分泌したのか。
太い枝にもビッシリと。
キノコは子実体と呼ばれます。
子実体は硬く裏側は網目模様。この中に胞子をつくる担子器があります。
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サルノコシカケはこの木にとっては迷惑なはず。
この仲間の多くは木材腐朽菌です。
木の成分であるリグニン,セルロース,ヘミセルロースを分解して養分とします。

2013年10月4日金曜日

樹皮の華

 台風の影響もあってか,雨模様の日が続いています。
サクラの幹に,薄緑から白銀の花柄のような付着物が。
ウメノキゴケ です。
地衣類 Parmotrema tinctorum
ゼニゴケの葉状体に似ていますがコケ類ではありません。
小さいしわは裂芽(芽子)という無性生殖のための組織。
断面は緑の層,白い層,褐色の底面が区分できます。
底面の所どころに偽根があって樹皮に取り付いています。
断面の切片を顕微鏡でのぞくと・・・・
上の層は藻類,下の層は菌類。
菌類の菌糸に光合成をする藻類が取込まれたようなかっこうになっています。
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地衣類は過酷な環境でも生活し,植物遷移の最初にも登場しますが,
ウメノキゴケは大気汚染や排気ガスに弱いといわれています。