中央の「光と風の広場」は万貫田(まがんだ)と呼ばれた水田地域を芝地にした広場です。
斜面林の上に千葉西病院がそびえ立ち,そこが台地になっているのがわかります。
斜面の下縁からは湧き水があふれ,一帯を潤していました。
万貫田の奥(上の写真の中央付近)にある湧き水の説明板。
ゴロゴロと据えられた石は人工物で,水の流れは無くかつての面影はありません。
パークセンターの説明図から |
この図で,水色の矢印が集中するところが千駄堀です。
手前の建物群は「常盤平団地」です。千駄堀の周囲はほぼ開発され尽くしていることがわかります。
今回は自然観察園の解説員で昆虫が専門の深道さんが奥の湿地を案内してくれました。
爆発したようなガマの穂が,冬を象徴しているようです。
前回はうっそうとしていた湿地の一部が刈り取られていました。
植物の遷移を人工的に止めて,湿地の状態を維持しているのです。
水の中に根を張ったような状態の「ハンノキ」。
千駄堀では普通に見られる湿生植物で楕円体の球果でわかります。
「ハンノキ」 Alnus japonica
ブナ目 カバノキ科
この木を好んで生活しているのが「ミドリシジミ」です。
標本が展示されていました。
「ミドリシジミ」 Neozephyrus japonicus
シジミチョウ科
ハンノキの枝や幹に卵を産み,幼虫になって葉を食べ,葉の中で蛹(さなぎ)になり,成虫になります。
ハンノキにもミドリシジミにも日本を表す種名がついています。
実習の終わりは台地の上にある縄文の遺跡を見学します。
この台地からかつて海が広がっていた千駄堀を眺めていたことでしょう。
竪穴住居の中で博物館の専門家から説明をお聞きしました。
茅葺(かやぶき)本体は雨風に強く,囲炉裏の上の吊り棚には食物が保存され,思ったよりも広く機能的な住居ですが,平安時代まで使われていたとの説明に意外な思いをもったようでした。
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都市に残る自然は,人が関心を持つことによって維持されていきます。
訪れる人の「なぜ」や「なるほど」という感覚が支えのひとつです。
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