朝日を受けて電線に並ぶ「ツバメ」(Hirundo rustica ツバメ科)は,本格的な夏を感じさせます。
ツバメの声に混じって,ピーヨ,ピーヨとやや高い軽やかな声がしました。「コチドリ」(Charadrius dubius チドリ科)です。スズメぐらいの体。眼を囲む黄色いリング,首に巻いた黒褐色の帯が目立ちます。ツバメと同じようにフィリピンなどの南方からはるばるやって来ます。バスも通る道路際の砂利を敷いた空き地を,まるで河原の砂礫を走るように長い足で素早く動き回ります。普段はどこにいるのかと疑問でしたが,水田を多く利用しているようです(Bird Research News Vol.17(4 ),2020)。2021年7月19日月曜日
2021年6月17日木曜日
クモの口をのぞくーアシナガグモー
夜になると決まって壁面灯の下に登場する細長いクモがいます。アシナガグモ(Tetragnatha praedonia:アシナガグモ科)です。
体長(頭の先端から腹の後端)は1.5 cmほどですが,伸ばした長さは3倍ほどあります。
朝になると隠れて見えなくなりますが,黒い鉄枠にじっとしていることもあります。
今日も夕方からせっせと網を作り始めました。
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目は単眼が4個づつ上下2列あります。輪郭ははっきり見えていないらしい。
腹部の後端には糸を出す出糸突起があります。
頭胸部の腹面には脚の間に口器が観察されますが,私たちとの比較では分かりにくい配列になっています。 上顎と牙は脚の変形で”鋏角(きょうかく)”とよばれます。下顎も脚(触脚)の基部の変形で内側には唾液腺があり消化液を出します。下顎と胸板の間で上唇と下唇が口を形成しますが,クモは体外消化で液状になった獲物の組織を吸い込むように摂食するので,口には噛むための装置は不要です。網には中身のない殻だけが残ることになります。
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アシナガグモの口をのぞいただけでも不思議です。クモの仲間(鋏角類)にはまだまだ面白いことがありそうです。
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